ちゅらかじとがちまやぁ

知念 知名のヌーバレー

最近よくのぞいているブログにチュラバナ・プロジェクトというものがある。くらげさんが管理者で、やんばるまでも原チャリに跨り、精力的に沖縄の文化を紹介されている。そのブログで知念村字知名で毎年ウークイの翌日に行われている「ヌーバレー」という祭りが紹介されていた。
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1000人にも満たない字の住民だけで160年余の歴史があるらしい。ヌーバレーとは凄く簡単に言うと厄を祓う祭りである(詳しくはチュラバナ・プロジェクトで)。知念知名なら会社から30分程度で行ける。仕事を終わらせかけつけると、字の入り口で子供エイサーが行われていた。
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エイサーが終わり、旗頭を先頭に会場の農村広場まで練り歩く。三線のメロディがいい!短いフレーズを繰り返し、合間に掛け声をあげ、鉦や太鼓が伴奏をする。
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会場は準備万端整っている。うーまく(悪がき)どもも準備完了だ。客席からは海が見え、津堅島、久高島も見える素晴らしいロケーション。
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最初の演目「長者」が始まる。踊りのレベルは驚くほど高い。ステージ右のすだれの中に三線、太鼓等の演奏隊がいる。全編生演奏である。音をお伝えできないのがなんともクヤシイ
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子供エイサー。やらさせている感が全体から立ち昇り、なんともゆるい雰囲気に和む。
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それから次々と村民の出し物が続く。みんな見せ所を心得ていて、飽きさせない。
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胡蝶の舞。これを踊るのは化粧をした若い男性で、花と蝶に扮してコミカルな踊りを踊る。名物の踊りらしく、若い女性がキャーキャー言って最前列に陣取り盛んに写真を撮っていた。
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やがて暗くなり、裸電球が灯る。
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戦争を生き抜いて来たお年より達。
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子供はきちんと幼い兄妹の子守をしながら見ている。
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おじぃ達は酔っ払い、子供は走り回り、おばぁ達は一生懸命手拍子を打ちよく笑い、みんなそれぞれの役目を正しく務めている。ここは現代の日本だろうか。夜風に吹かれ、目をつむり三線の音、太鼓の音、観客のざわめきを聞いていると俗な言い方だがまるで天国に居るようだった。黒澤明の夢の中に迷い込んだようだ。
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いよいよ、知名出身の人間国宝「照喜名 朝一」さんの登場である。三線1本と腹から搾り出す様な甲高い声が知名の部落に響き渡る。凄まじい実力。
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途中夕立に洗われた空気の中、満月が舞台上に昇る。ますます現世離れをした風景になってきた。
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演目も進み、いよいよ最後の仲里節が始まった。伝統的な琉装の女性達が現れ、手に持った四つ竹の音がチャッチャっと小気味良いリズムを刻む。
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約4時間、30もの演目が終わり、最後は舞台上でカチャーシが行われる。お年寄り達の腰の動き、手の舞いが素晴らしい。この後はグソー(あの世)の人たちに舞台を明け渡すらしい。
遠く見える海は、月の光で銀色に輝いていた。
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満月が知念の海と雲を照らす。久高島の光が見える。
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一旦部屋に戻り、床につくが眠れない。ふと起き出し、着替えて車を出す。向かう先は知念村である。グソーの人たちのヌーバレーは行われているのだろうか?
車内の時計は2時すぎを示している。村は月の光に照らされ、道ははっきり見える。ヌーバレー会場の農村広場はもちろん静まり返っている。客席に座り、じっと耳をすますと・・・・
かすかに三線の音がする、鉦の音もする。まさかと思って目を凝らすと、舞台の屋根の向こうに旗頭が見えてくる。体はこわばった様に動かないが、不思議と恐怖は感じなかった。やがて農村広場に上る坂道から旗頭を先頭にした道じゅねーの一行が見えてくる。道じゅねーやニコニコ笑いながら付いてくる村民の姿は見えるのだが、今度は音が一切しない。耳の中にジーーーーーっと音がしている。次の瞬間気が付くと、観客席は一杯である。ただ服装が、先ほどの舞台で見たような古い農民の姿が殆どである。子供もかすりの着物を着て走り回っている。
なんと喋っているか分からないが、ザワザワと一団のざわめきとなって聴こえていて、その中に笑い声や女性の嬌声も混じっているのが分かる。舞台を見ると、電飾は無くなり、松明と提灯の光で村民の出し物が楽しそうに繰り広げられているのだ。
また耳の中でジーーーーーーーーっと音が鳴り出し、次に気が付いたときには舞台上に居た。
観客席を見回すと、亡くなった知人や父親の顔が見える。それらの顔は笑っているのだが、怒ったような困ったような表情にも見えるのだった。
ボクは三線を弾きながら唄っていた。汗水節、海のチンボーラー、カイサレー・・・次々と歌う。指が血だらけになっても唄う。汗が目に入り、泣いているのか汗が滲みているのか分からないが、涙がどんどん頬を伝う。
どれくらい唄っていたのか分からないが、背中側から朝日が近づき、空が明るくなりだしたとき、それまで、顔は笑っているが、一切音を発しない観客から万来の拍手と指笛が起こった。子供、お年寄り、村の顔役、長老みんな一生懸命に拍手をしている。
人生でかつて感じた事の無い恍惚感に身をゆだねる・・・・・朝日がサァーと差し込んできた。

その日以来、テンモリの姿は忽然と消えた・・・・・・

とゆーよーな出来事が起こってもおかしくない雰囲気の祭りだった。
by tenmorimori | 2005-08-20 17:57 | 祭り・イベント | Comments(6)
Commented by くらげ at 2005-08-21 23:16 x
てんもりさん、こんばんは。
私のサイトのことまでコメントしていただいて
ありがとうございます。うれしいです。
てんもりさんの迫力のある写真見たら、
私も最後までいればよかったと、後悔しましたよ。
素敵な祭りですね。
日が落ちてからがクライマックスですね。
そうそう、電球を割ったうーまくが
てんもりさんの写真に写っていました。
かわいいなぁ。。

エイサーの写真もすごい迫力ですね。
来年こそは観に行かなくては。。
Commented by love-pancake at 2005-08-21 23:56
すごい!!
こんな貴重なものをBlogで見せていただけるとは!
この世とあの世の天国のハザマで、
なんだか見ているだけで、感動して涙出そうなかんじです。
Commented by ume at 2005-08-22 09:38 x
てんもりさん、すごいですね~~
このお盆は、ひじょ~~に充実していたのではないですか?(笑)
来年、知念は見に行ってみよっ♪

今回私も、久しぶりの連休に思いっきり楽しみました。
Commented by てんもり at 2005-08-22 19:22 x
くらげさん、こんにちは。今まではエイサーばかりに目がいってましたが、くらげさんの安田のシヌグーの記事を見て、俄然各地区の祭りに興味が湧いてきました。沖縄は本土と地理的に隔絶されているせいなのか、こんな祭りがしっかり残っているのですね。気付かせて下さったくらげさんには感謝です。それにしても録音したかったなぁ~
>love-pancakeさん、この祭りは凄かったです。沖縄って凄いっす!
ボクも途中になんか分からない感情で鳥肌が立ち、じわぁっと涙が出てきました。
>umeさん、お蔭様で、喜屋武のエイサーから始まって、去年とは比べ物にならないくらい充実した旧盆でした。来年は渡嘉敷島のエイサーも見たいなー
umeさんも旨いモン食っていいですね~
Commented by KUWA@RIK at 2005-08-23 13:48 x
ブログへのご訪問(TB)ありがとうございました。

昨年、RIKで取材した記事がありますので、
よろしければ、ご覧になってみてください。
http://okinawa.rik.ne.jp/rik/contents/culture/sanshin/nubare/index.html
それから、夜中に舞台を見に行くのはよくありませんので、敬意とご注意を。
Commented by てんもり at 2005-08-23 14:15 x
KUWAさん、コメントありがとうございます。
誤解を与える書き方をしたようで申し訳ありません。もちろん、夜中には行ってません。RIKの記事はチュラパナ・プロジェクトを通じて見させて頂きました。今後も現代に残された沖縄の貴重な風習や祭りを見ていきたいと思っています。もちろん敬意をはらって・・・・